【番外編2】私の10代 アンダーグラウンド 音楽紀行
*大人の事情で某雑誌に掲載されなくなりましたので、ここに貼り付けますー(文責:坂口孝則)
思わぬ歴史的な写真が出てきたので追伸。
これまで、ブログに「私の10代 アンダーグラウンド 音楽紀行」を貼り付けた。
【番外編】
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【第5回目】
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【第4回目】
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【第3回目】
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【第2回目】
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【第1回目】
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<最高のライブについて>
ぼくが雑誌ヘドバンで原稿を書く必要があった。内容は人生で「最高のライブ」について。そりゃ、高校生のころに見た、スラッシュメタルバンドのUNITEDに決まっている! しかし、人間の記憶は曖昧なもので、友だちに当時の様子を訊いてみた。
すると、この歴史的なポスターが出てきた。
私はどうも1994年と思っていたけれど、1995年だったみたい。懐かしいな、このポスター。さらに、1995年には3月、8月、11月とUNITEDが佐賀に来ていて、どうも3月12日(日)が、その印象的なライブだった様子。
SAVAGE GREED(福岡の最強インテレクチュアルバンド)も一緒だったようだ。
UNITEDは、横さんのベースに内野さんによる最強のリズム。ハリーさんと大谷さんの強烈すぎるツインギター。古井さんのソリッドなボーカルが乗る。
なんということだろう。私はずっと、あの日の夜に見た光景を忘れられずにいる。大人になってから、真の友だちと出会うのは稀だ、と誰がいったか忘れた。もしかしたらライブも同じで、過去の輝きを、無意識のうちに探しているのかもしれない。
よく「昔のほうが面白かった」というひとがいる。そりゃそうだろう。人生経験のデータベースが違う。昔は何も知らなかった分、印象も強い。人生だって狂ってしまう。しかしそれを20年も重ねていると、どうしても、現在が昔の焼き直しのように思ったり、物足りなく思ってしまう。ぼくたちは、常に過去を輝かしいとしか、”構造上”思えないようになっている。
<そのころのライブスケジュール>
拡大しないと見えないかもしれない。うわー、ガーリックボーイズとハイスタがツアーしていたのね。それと、S.O.Bだ。さらには、WRENCHにHELLCHILDと、GRUBBY! なんかいきなり10代のキッズに戻ってしまったかのような感覚。時代の雰囲気を、経験していない人に伝えるのは難しい。
それにしても、当時の思い出は、つねに「夜」「煙」「騒音」とともにある。なぜ愛とライブハウスは夜の帳を想起させるのだろう。野外フェスよりも、ぼくのなかで音楽はなぜか夜とともにある。愛を交わすときと演奏のときには、周囲を見る必要がなく、さらにそこでしか得られない一体感を希求するためだろうか。
アウトレイジも見た。スーパージャンキーモンキーとRFDがセットとは、もはや伝説としかいえない。しかし、脳天気なぼくらは、ただただ楽しんでいただけだった。
すぐれた演奏は、ぼくたちに「俺たちはここまで命を賭けている。お前らはどうだ」と迫るような感覚を与える。たぶん、これまで音楽史のなかで狂気と呼ばれるものは、そういうギリギリの緊張感を強いるものだったんだろう。
みんなが必死で、何かを作ろうとしていた時代。
だいぶ、ぼくたちは遠くにやってきてしまったようだ。しかし安穏とはしていられない。ぼくはまた近いうちにライブハウスで、「俺たちはここまで命を賭けている。お前らはどうだ」と迫られる衝撃と、人生への衝動を感じてみたいと願っている。