8-10 受入検査の重要性と効果的な運用方法

★文章のポイント
1.受入検査の重要性とその役割を理解する。
2.限られた時間で効果的な受入検査を行う方法を設定する。
3.サプライヤーの品質管理体制と受入検査を組み合わせて購入品の品質を確保する。

受入検査は、購入物がバイヤー企業に納入された際に最初に行う重要な作業であり、納入された購入物が発注書に記載された購入条件に合致しているかどうかを判断するプロセスである。

●受入検査の持つ意味
受入検査は、サプライヤーがバイヤー企業の提示した購入条件を守っているかを確認する役割がある。受入検査に合格した後に発生した不具合は、基本的にバイヤー企業の責任と認識されるため、受入検査には非常に重い意味がある。

●限られた時間で何を検査するか
受入検査は重要だが、検査に費やせる時間は限られている。限られた時間で購入品を確認するために、検査方法を事前に設定することが必要である。必要に応じてサプライヤーへの購入条件に、受入検査に必要なサプライヤーの実施内容を盛り込むことも有効である。

また、バイヤー企業の受入検査で購入条件を満たしているか確認できない場合、サプライヤーで行われる最終検査をバイヤー企業の受入検査とみなす。実際にサプライヤーで行われる検査に立ち会ったり、検査成績表を確認したりする方法を採用し、購入条件のクリアを確認する。

●源流管理と受入検査のセットで確保する購入品の品質
納期短縮化のニーズにより、受入検査を簡略化または省略し、サプライヤーから納入次第生産現場に投入するケースもある。しかし、これは受入検査の意義が失われたからではない。サプライヤーの品質管理が確実に行われているため、不良品が流出する可能性がないからこそ、受入検査の簡略化や省略が可能となる。

受入検査を簡略化・省略化する代わりに、サプライヤーの品質保証体制と機能を確認することが必要である。購入品の品質確認は以下の二つの方法で行う。

①実際の購入品の品質を検査して確認する。
②プライヤーの品質管理体制をチェックして確認する。

受入検査を簡略化・省略化しても、その体制は維持する。サプライヤーから生産プロセスの変更連絡があった場合、バイヤー企業が受入検査を行い、品質が合格レベルを維持しているかを確認する。このようにして、サプライヤーと協力しながら購入品の品質を確保することができる。

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