3-(4)-3 共同調達「雑感」
共同調達は現場のバイヤーが開始できるものではありません。しかし、近年は共同調達というトピックに注目が集まっていることもあり、近い将来にどこの企業も実施する可能性があります。
その際に、発注量をまとめてコスト低減につなげることはもちろんのこと、共同の調達・購買組織の内部を垣間見ることができます。文化の違いは非常に興味をそそると思います。これまで自分たちが絶対と思っていたもの(見積りの査定から、サプライヤーへの接し方まで)を見直すよい機会にもなります。
なお、量をまとめてコスト低減する、と書きましたが時間が経つにつれて非常に難しくなります。最初は強制的にでも統一させられた発注サプライヤー先も、しばらく時間が経つにつれて、バイヤー企業間で発注先がバラバラになってゆきます。2社以上を横断し購買戦略を浸透させ各部門に守らせることは容易ではありません。
また、共同調達を開始するにあたって、システムが統一されていることはほとんどありませんから、両社を合算した調達総量の把握は困難を極めます。
日ごろから自社が、どのサプライヤーに何をどれだけ購入しているか、という支出分析の必要性を改めて強調しておきます。