3-(1)-2 リバースオークション「私の経験」
「全然使えないじゃないか!」
私が設計者と話していたときに、設計者があきれてこう言ったことがあります。
リバースオークションを実施し、その結果最も安価であったサプライヤーから購入した製品が不具合を生じさせたことがありました。その不具合対策会議を実施していたときのことです。
確かに見た目の価格は安かったのです。
しかし、その杜撰な生産管理は驚くべきものでした。次から次に不良品が納入され、「価格が安いから購入しましょう」と言ったバイヤー(私)の立場はありませんでした。
そのサプライヤーはISOを取得しているとのことでしたが、品質保証体系の実態はめちゃくちゃ。
例えば、その製品は多くの部品からなる複合部品でしたから、誤って組み立てなような施策(誤組み対策)が必要でした。そこでそのサプライヤーは誤組み対策として、間違えやすい「R」と「L」など部品にシールを貼って認識する、と言っていました。が実際の現場で作業していたのはその「R」を読めない外国人労働者でした(どうやって日本まで来たのだろう)。
そこから私たちはそのサプライヤーから購入することを急いで止め、元のサプライヤー製品に再度切り替えました。
元のサプライヤーがよい顔をしてくれるはずもなく、また関係部門の手間も莫大なものになり、トータルのコストとしては以前よりも上がってしまいました。