2-(4)-1 バイヤーとして身に付けるべきこと<背景・基礎知識>
これまで、バイヤーに求められる能力は「声が大きいこと」「人間味にあふれていること」「体力があること」であると言われました。その反動として、「これからは、そのような能力は不要である。知識やテクニカルなスキルを身に付けるべきだ」という主張がなされました。
大切なことは、二者の主張する両方の側面を高めてゆくことです。この二つの主張の過ちは、身体(右脳的なこと)と知識(左脳的なこと)を分離して考えていることです。人間味にあふれていることがもちろん重要であるように、知識を習得することも同じく重要です。
さらに、両方を同時に高めることによって、相互に好影響を与えることが証明されています。これらを概念的に説明したものがインストラクショナルデザイン(教育体系)におけるKSA区分です。
K(Knowledge)・・・調達・購買に関する各種知識
S(Skill)・・・交渉テクニック、プレゼンテーション、パソコンスキル
A(Attitude)・・・高い倫理、礼儀、目標に対するコミット、やる気
日々の業務のなかでもこれらの区分を意識してゆけば、多面的に能力向上をはかることができます。
まずは、KSAの分類にしたがって自分が身に付けてゆきたいことを整理することを強くお勧めします。