第十回:開発購買の中期計画

開発購買の活動を体系的かつ計画的に実施するために、中期計画を策定することが必要です。
この策定のプロセスを、参考例を示して説明します。

1.開発購買の中期計画策定で考慮する事項

開発購買は調達・購買機能の一部であり、さらに開発・設計部門の製品開発活動と密接なつながりをもっています。つまり、開発購買の中期計画は、調達・購買部門と開発・設計部門の中期計画を念頭に策定する必要があります。

ここで、留意すべきことは、これらの二つの部門の中期計画だけを念頭において開発購買の中期計画を策定すれば良いということではないことです。開発購買がもっている重要な課題(ここでは戦略課題とよびます)のうち、この二つの部門の中期計画だけでは達成・展開できないものがあれば、開発購買の中期計画の項目でその戦略課題の追加・補足が必要です。

また、認識しておくべきことは、調達・購買部門の中期計画も開発・設計部門の中期計画も全社の中期計画を基に策定されるということです。以上の関連を次の図表に示します。

2.開発購買の中期計画の策定

上記1のプロセスで設定した中期計画課題を、3年単位の中期計画で年度単位の活動を作成します。開発購買の中期計画の例の一部を示すと次の図表の通りです。毎年改訂して、常に3年単位の中期計画を策定します。また、大きな経営環境変化があって、全社の中期経営計画が変更された場合や、調達・購買の活動環境が大きく変わった場合などは、年度や期の途中でも計画の変更をすることが必要です。

3.年度計画

年度計画は、中期計画にある当該年度の実行課題(中期計画にある実行課題)を詳細な活動計画にして、担当責任者を決めて、その年度の月ごとの計画を作成するようにします。このような年度計画を策定している会社であれば、その方式を開発購買機能にも適用することになります。

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著者プロフィール

西河原勉(にしがはら・つとむ)

調達・購買と経営のコンサルタントで、製造業の経営計画策定支援、コスト削減支援、サービス業の経営計画策定支援、マーケティング展開支援、埼玉県中小企業診断協会正会員の中小企業診断士

総合電機メーカーと自動車部品メーカーで合計26年間、開発購買等さまざまな調達・購買業務を経験

・著作:調達・購買パワーアップ読本(同友館)、資材調達・購買機能の改革(経営ソフトリサーチ社の会員用経営情報)

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