5-(3)-1 決算書を読みこなす<基礎知識>
バイヤーが決算書を読むときは次のような状況です。
(1)定期的経営分析・・・サプライヤー決算時に経営状況を確認する
(2)新規サプライヤー経営分析・・・取引考慮時にサプライヤーの経営状況を把握する。
全てを把握しようとすれば、それこそ1冊の本になってしまいますが、メインとなる目的は、①「安定した納入が可能かどうか」ということです。将来に供給危機に陥ることがないかを確認します。これらはB/S(貸借対照表)により安全性を確認します。加えて、②「収益を十分確保しているか、業界他者並みか」ということです。これはB/S、P/L(損益計算書)によります。過剰に利益を確保しているサプライヤーは毎期のコスト低減要求のネタにもなります。
なお、返済能力を見るためにはキャッシュフロー額やインタレストカバレッジレシオを見てゆくことになりますが、実際の実務で1社毎にこれらを計算してゆくことは稀です。とはいえ、より企業経営への深い理解ができるようになりますので、B/S・P/Lを使って上記確認項目を理解した後は、ぜひこれらの指標に関してもチャレンジしてみて下さい。