4章・(8)-2 経済の段階によって売れるものは変化する

・商品を買うことのほんとうの目的

 

ここで少しだけ難しい話をします。人々はなぜ、モノをほしがり、TVを見たがったのでしょうか。それは、端的に言うと「他人とつながるため」でした。かつての若者がスポーツカーを欲しがったのは、それに彼女を乗せてドライブする自分を想像したからです。TVだって違いはありません。若者がTVの歌番組を見て、流行歌を口ずさめるようにしたのは、翌日の学校でクラスメートと会話をあわせるためです。

人々の消費は、その多くが「他人とつながるため」でした。その仲介物として商品やTVが使われていたのです。しかし、いまでは携帯電話やインターネットがあります。昨今、「若者は携帯電話にはお金を使うのに、商品の消費にはお金を使わない」と指摘されることがありますよね。でも、それは当たり前なのです。そもそも消費行動というのは、「他人とつながるため」だったのですから、商品を介さずに直接的に友達とつながる手段があるのであれば、商品なんていりません。私も携帯電話料金は1万円を超え、PCのモバイル通信料にかなりのお金を払っています。それは、なにより「他人とつながるため」です。「モノが売れなくなった」という事象は、このような観点から理解されるべきでしょう。

では、なぜ人は他人とつながりたいのでしょうか。これは、やや胡散臭いものの「幸せになりたい」からです。人は、どうも「他人から必要とされる」ということに幸せを感じるものなのですよね。メールを打てば、誰かから返信がすぐ届く。Blogで記事を書けば、感想がすぐ届く。これがどうやら快感に近いもののようなのです。だから多くの人がそれにハマります。

個人と個人がダイレクトにつながること。それを「PtoP(Pier to Pier)」と呼ぶことがあります。これからの時代で新たな稼ぐ商売を考えるときは、この「個人と個人をつなげる」ことを忘れてはいけません。

無料で最強の調達・購買教材を提供していますのでご覧ください

あわせて読みたい