2章・(2)-1 売上げだけでは利益は出ない

キーワード「売上製造原価」「販売費及び一般管理費」「営業外費用」「経常外費用」

 

・工場作業者とオフィスワーカーは別物なのか

 

とても嫌な話です。

私が入社した会社には「事務系入社」と「技術系入社」という枠がありました。どちらとも文系出身者間の区別です。私は前者に属していました。入社してすぐにやることは、前者はビジネスマナー研修というものを受けること、後者はネジを回すことです。

要するに、オフィスで働くか、現場で働くかの違いだったのですね。生産に間接的に関わる人、直接的に関わる人。たしかにその違いはあるでしょう。しかし、私はその後、コストの計算にもその区別が現れることを発見したのです。

さきほど、売上げだけに注目しても、それが必ずしも利益に結びつかないという話をしました。それは、もちろん費用が関わってくるからです。前章では、「売上げ―費用=利益」という式を紹介しました。この式のうち「費用」は、これからいくつかに因数分解することができます。

  • 製品にかかる費用……「売上製造原価」と呼びます。
  • 会社全体に共通してかかる費用……「販売費及び一般管理費」と呼びます
  • それ以外にかかる費用……「営業外費用」「経常外費用」と呼びます

この三つです。これらがそれぞれ発生し、全体のコストを構成し、利益を決定していきます。

私は「事務系入社」と「技術系入社」という思い出をあえて披瀝しました。それは、前記の費用のうち、前者と後者が属すところが異なることを説明することにあります。私が属していた「事務系入社」が入れられるのは、(2)です。営業マンになるもの、私のようにバイヤーになるもの、あるいは経理マン、宣伝マン。これらは、会社全体の費用として計上されます。それに対して、前者が属すのは、製品そのものにかかる費用としての(1)です。

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