２章・（２）-2 売上げだけでは利益は出ない
・さまざまな段階の利益が登場
ここからそれぞれの費用に対応したいくつかの利益も登場します。
- 売上げから製品にかかる費用を引いたもの……「売上総利益（粗利益）」と呼びます
- さらにそこから会社全体に共通してかかる費用を引いたもの……「営業利益」と呼びます
- さらにそこからそれ以外にかかる費用を引いたもの……「経常利益」「税引前当期純利益」と呼びます
（３）は何を差し引くかによって段階がありますので、二つ列記しておきました。また、正確には費用とともにその他の利益も足すことで最終的な利益を求めます。ただ、大まかにいえば、このようなことです。
それぞれの利益が何を指すかはおって説明していきます。ただ、（１）（２）（３）はそれぞれ重要で、各費用を適正化し、最終的な利益が残るようにしていかなければいけません。その意味でも「売上げだけでは利益は出ない」のです。
よく「粗利益」のことを「アラリ」と呼び、それを重視することがあります。しかし、それは利益のなかの一部でしかありません。粗利益だけがよくても、その他の費用（２）（３）がかさみ赤字に陥ることもあります。また、逆に粗利益はあまり芳しくなくても、（２）（３）を抑えることによってなんとか黒字を確保する例などさまざまです。
そして、サラリーマンとして働いているあなたは、会社のなかでどこかの費用として計上されています。工場作業者とオフィスワーカーは、その意味でたしかに同じではありません。そう思うと、会社の利益は、どこか景色が違って見えてくるものです。
