2章・(1)-2「売り上げ」とは何か?
・売上げと実際の現金は同じではない
また、売上げとは、その商品が売れた瞬間に生じるものです。あとで説明するとおり、商品が売れたといっても、それがそのまま「現金が入った」ことを意味しません。お客はさまざまな支払い方法を持っており、数カ月後に支払うもの、手形という数ヶ月後にしか現金に換えることができないもの等、さまざまです。なので、売上げは計算式と同時に、
- 実際の現金の流れと、見た目の売上げは必ずしも一致しない
ということも覚えておいた方が良いでしょう。
一般的には、お客からは現金で代金をもらう方がよく、先延ばしにされるほど売り手には不利になります。商品を売ってもなかなかお金が手に入らず、しかし仕入れの代金はすぐに支払わねばならない、という状況が続くとしましょう。その場合は、売上げと利益はあるはずなのに、実際の現金が不足して倒産してしまう、という悲劇になります。これが「黒字倒産」です。昔から現金商売は優れていると言われています。
売上げとは自ら計算し、かつ実際の現金とも異なる、なかなかやっかいなものです。そして、この売上げから、利益がわかり、そのうえで税金が決定します。その利益を計算するためにも、次には費用の計算が必要です。費用、あるいはコストはさらに深い広がりを見せてくれます。