2章・(8)-1 さまざまな商売の損益分岐点

キーワード「総コスト曲線」「新たな商売の総コスト線」

 

・パン屋のユーウツ

 

これまで説明してきた損益分岐点は、あくまで典型的な総コスト線によるものでした。想定しているのは1年ほどの期間です。これが中長期的になると、総コスト線は曲線を描きます。

たとえば、あなたがパン屋をやっているとしましょう。最初はあまり売れないので、パン一つあたりの費用がかさみます(1)。でも、オーブンがフル稼働できるようになると費用は抑えることができ、追加でパンをもう一つ作っても費用としてはほとんどかかりません(2)。ただ、もっと売上げが伸びていくと、もうあなた一人では対応できないので、バイトを雇うことになり、費用が増加していきます(3)。オーブンも一つでは対応できそうにありませんね。焼けない分は外注にお願いするしかありません。

あなたは外注にお願いするのはもったいないからと、オーブンの新設を決めます。固定費は大きくなってしまいますが、変動比率は抑えることができました。と、このようによって順調に売上げを伸ばしていくと、以前説明したような「固定費型の会社」ができあがりです。こう考えると、固定費を大きくして変動費率を抑えるか、あるいは固定費を小さくしたまま変動費率を上げるか。どちらかの可能性しかないように思えます。

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