1章・(7)-2 時間による「価格差」を利用する

・劣化による値下がりと、需要価格のあいだで

 

また、商品特性による価格の低下もあります。たとえばブランドバッグの中古品。歌舞伎町あたりを歩いてみましょう。そこには、中古品を下取りしてくれる業者がたくさんいます。中古というだけで、ものによっては定価の半分程度の値段しかつきません。しかし、需要側は多少使われたものであっても、定価の7割だったら買う、という人もいます。その業者が定価の半分で仕入れ、定価の7割で販売すれば、2割が利益として残るわけです。これも商品の時間軸を利用して価格差を創出した例といえます。

また、食肉のように劣化とともに市場価格が安くなっていく例もあげておきましょう。食品はしっかりと冷凍しておけば1年間は持ちます。しかし、とはいえ、11ヶ月目をすぎると90%オフなどの価格になっていきます。1キロの価格が1000円だとすると、たったの100円です。その食肉を保管している人たちだって、早く売ってしまいたいものですからね。ただし、消費者によっては、「まだ食べられるなら」と半値程度で買ってくれる人もいます。そこで、90%オフの100円で仕入れて、通常価格の半値500円で販売すると、その差である40%が利益になるというわけです。

時の流れは、価格差をもたらしてくれます。そして、その価格差を嗅ぎとろうと、今日も多くの人たちが市場とにらめっこをしているのです。

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