1章・(8)-1 働いてお金を稼ぐことも「価格差」の利用

キーワード「労働」「手段としての労働者」「コスト比較」「低評価」

 

・働き手としての自分自身を見つめる

 

「難しいことは話しません」。壇上の男性が語りました。

「もし、自由な生活をしたければ、どんな目標を立てればいいか説明します」というのです。私は興味本位から、あるセミナーに行き「人生を愉しむための稼ぎ方」を学ぼうとしていました。答えは簡単。「年間5000万円儲かる商売を10年間続けてください。あとは、その利子だけで暮らせます」。なるほど、お金を稼ぎ続けるのではなく、ある時点でお金から生み出されるお金で暮らせばいいというのです。

これまでの節では働くことを前提として「商売」と「稼ぐこと」を説明してきました。ではなぜ働くのでしょうか。それは第一に「食うため」というものです。もちろん、愉しさや生きがい、やりがい、といったキーワード抜きに労働は語れません。しかし、同時に「食うため」というもっとも基本的なことは強調しておきたいのです。

私は、以前の節で、商売の方法について「働く」という項目をあげておきました。

  • 機会による「価格差」を使ったモデル:労働などによる、自己価値の最大化

というものです。サラリーマンの家庭に育った人は想像もつきませんが、この世の中には働かずに暮らしている人たちもいます。たとえばそれは遺産相続によるもの、資産の利子や配当によるものなど、さまざまです。

私はサラリーマンとは「自分の体を会社に預ける」ことだと言いました。そして、「あなた自身という資産」を3億円程度と見積り、会社から利子をもらうモデルだと定義してみたのです。それから考えれば、もしあなたが現金として3億円をすでに持っているとすれば、あなたは会社に自分自身を売る必要はありません。それをどこかに預ければ、あなたの代わりにお金が働いてくれるというわけです。自ら働くというのは、あくまで一つの手段にすぎません。

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