2章・(10)-1 避けて通れない「税金」という話~いい節税、悪い節税
キーワード「経費」「飲み代5000円」「節税」
・あれは経費、これも経費、どこまで経費
では飲食代はすべて経費になるのでしょうか。残念ながら、非常に限られた金額しか経費に計上できません。ちょっとややこしいものの、具体的には会社の資本金規模によって異なっています。
- 資本金1億円以下……上限を600万円としてその90%
- 資本金1億円超……経費にできない
資本金の定義は省きます。簡単には「規模の小さな会社は飲み代が経費になるけれど、規模の大きな会社の飲み代は経費にならないのだな」と覚えておいてください。もし前者が年間2000万円の「飲み代」を使っていたとしても、上限600万円×90%の540万円しか認められません。ほんとうは、1460万円を余計に使っていますが、その分は「なかった」ことになりますから、見た目の利益はあがってしまい、税金が課せられることになります。
また、経費とする場合は領収書をしっかりと入手し、参加人数を記録し、一人あたり5000円を超えない金額にしなければいけません。あなたの取引先に、一次会、二次会と次々お店を変える人がいないでしょうか。これは、一箇所に留まると一人あたり5000円を超えてしまうので、その範囲内に抑えて愉しもうとしているからです。接待にも、このようなルールが反映されています。
会社の経費になる、ならない、ということはとても重要な問題です。なぜ税金を支払いたくない会社がたくさんあるのかといえば、それは税率がとても高いことにあります。法人税などを累積していくと、会社は利益のだいたい40%を国に収めることになっているからです。1000万円の利益がある会社は、400万円を国に収めねばなりません。もちろん、税金を支払うことは社会貢献の大きな一つです。ただ、お金に困っている会社が少しでも税金を減らすために必死に「節税」を試みることもおわかりいただけたのではないでしょうか。