1章・(2)-2「お金を稼ぐ」ために必要なこと
・会社の商売構造と、サラリーマンという一個人への影響
ここであえて商品を二つにわけるとするならば、次のような分類が可能です。
- 必需品(一般消費財):価格に占める材料費率が低く、人件費や宣伝広告費が高い
- ぜいたく品(高級財):価格に占める材料費率が高く、人件費や宣伝広告費が低い
あなたの会社はどちらを専門にしているでしょうか。ブランドバッグのように、材料費が低く、人件費や宣伝広告費が高いという「ぜいたく品」もあります。ただ、普通はこのような構造を持っているのです。
この二者は多くの場合、お互いを代替することはありません。業界や商品に特有の勝負が繰り広げられています。たとえば、化粧品会社は、他の化粧品会社に勝つように方策を練り、それを宣伝広告として世に出します。自動車メーカーは、他の自動車メーカーを研究材料として、より安価な商品を作るために日々苦労を重ねているのです。
これはなかなか面白い事実を導きます。必需品を扱う企業は、宣伝部やマーケティング部といったところから有名人を多く排出しているからです。逆に、自動車のようなぜいたく品を扱う企業は、生産部門や品質部門といったところから有名人を多く排出しています。本屋に行って、それぞれの分野の著者を見てみてください。たとえば前者は資生堂出身の、たとえば後者はトヨタ自動車出身の人たちがたくさんいるはずです。それは、彼らがかつて属した企業の商品特性上、必然だったのでした。
前節ではサラリーマンという働き方について述べました。そして、サラリーマンとして会社に属すということは、それぞれの会社特有の稼ぎ方を学び、その人の将来にわたって影響を与えることでもあるのです。
そこにも、サラリーマンであっても商売を学ぶ必然があります。