1章・(2)-1「お金を稼ぐ」ために必要なこと

キーワード「マーケティング」「カイゼン」「必需品」「ぜいたく品」

 

・たくさん売るか、原価を抑えるか

個人であれ、会社であれ、「売上―費用=利益」という式を前提としたときに、どうすれば稼ぐことができるのでしょうか。あるいは、儲けることができるのでしょう。私は、「たくさん売り上げる人たち」か「できるだけ費用を抑える人たち」が優れている、と説明しました。

  • 「マーケティング」モデル:化粧品のように、たくさんの広告宣伝費を使うことで売上げをあげていく企業
  • 「カイゼン」モデル:トヨタ自動車のように、原価を徹底的に抑えることで利益をあげていく企業

この二つは厳密に分かれているわけではありません。「カイゼン」モデルの企業が宣伝をしないわけでもないのです。もちろん、優れた会社はこれらを両立させています。それは個人であっても、高い給料をもらいつつ、それを節約している人がいるのと同じです。ただ、どちらかの側面でより特徴づけられます。

たとえば、口紅のような商品の材料費は100円くらいしかかかっていません。でも化粧品は人目を惹かなければ売れませんから、たくさんの人件費を使って新商品を開発し、それを莫大な宣伝広告を使って広めようとします。百貨店の一階では、すごい数の販売員が女性に化粧品を売り込んでいるはずです。もちろん材料費を抑えることも大事ですが、そもそも低いのでよりたくさん販売することで利益を伸ばそうと試みるのです。

いっぽうで、自動車はそれほど値下がりするものではありません。昨今、自動車が売れないために値引き合戦も散見されるものの、新モデルの携帯電話が翌年には1円になるような市場価格の下落はないですよね。ただ、自動車の場合は材料費だけで70~80%かかるのが普通ですから、できるだけその材料費を抑えるために努力するのです。材料の廃棄分を少しでも減らしたり、あるいは不良品を減らしたりできるように工夫します。

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