2-(3)-1 調達・購買の社会的意義<基礎知識>
各企業は、安価な製品を提供すること、技術の向上に寄与すること、人々の生活を向上させること、などを理念として持っています。その理念を基とする企業活動に伴う社会的責任としては、環境や人権に配慮すること、社会倫理に徹した行動を取ること、世界的な平和・安全を維持すること、などが挙げられます。
調達・購買部門の主な業務はサプライヤーの選定です。調達・購買部門が自らも高い社会的責任を果たした上で、サプライヤーに取引条件として同様の社会的責任の取り組みを要求すれば、サプライヤーは従わざるを得ません。あるいは調達・購買部門はそのような社会的責任を果たしたサプライヤーを選定することになります。
具体的にはサプライヤーに対して下記項目を要求することになります。
・ グリーン調達に適合しているか
・ 工場内の安全衛生は満足できるレベルか
・ 個人情報保護を徹底しているか
・ 反社会的な行為に手を染めていないか
などを厳しくチェックする動きが見られます。そして、その動きが加速し遂行されれば、サプライヤーの企業全体的な質は向上してゆきます。次にそれが、社会全体の向上・発展につながってゆきます。
とすれば、調達・購買部門とは「モノを買うという行為を通じてよりよい将来を創造する仕事だ」ということができます。