3章-39:コスト削減
基本姿勢は次の通りです。
一番と二番目の内容は重複していますが、三番目に書いてある「多く作りすぎてないか、早く作りすぎてもいないかを見る」は重要です。これは若い調達担当者にとっても明確な見方だと思います。
すなわち、各工程に行ったり、あるいは倉庫に行ったりして、「客先から要求された個数と、生産した個数が同じかどうか」を聞くわけです。そして、その次に、出荷の条件を聞き出してください。相当先のものまで作っていたり、あるいは出荷予定のないものを作ってしまったり……。そういった場合は改善の余地があるわけです。
次に書いている通り「機械と手が製品に触る以外の時間がないかを確認」です。倉庫におきっぱなしになっているということは、その製品がずっと放置されていることですが、その時間はムダに他なりません。私の好きな言葉に、「工場というところでは、見えない固定費の雨が降っている」があります。雨(固定費=コスト)に濡れれば濡れるほど、その製品はコスト高になってしまうのです。
もちろん、「作り終わった製品だから、なんら固定費がかかっていないではないか」と反論する人もいるでしょう。しかし、それを保管しておくスペースは、土地代として重くのしかかっているはずです。
さらに「当てるのではなく、合わせている作業者がいないか確認」です。表現が難しいかもしれません。たとえば何らかの製品を作業するときに、穴あけをしたり、削ったり、その他の加工を施したりするケースがあります。製品の位置決めをする時に、何らかの治検などに「当てて」いれば大丈夫です。しかしながら、「合わせ」ているというのは、それだけ時間もかかりますし作業が非効率です。さらに品質も安定しません。何らかの作業する時には「当てて」いるのではなく、「合わせ」ている作業者がいないかどうかを確認しておいてください。