3章-38:コスト削減

これは設備投資も同じです。設備投資は、払い終わった金額ですから、これを後悔しても仕方がないわけです。むしろ、改善の際には考えることなく、あくまでも将来を考え、何をすべきかを検討しましょう。これはよくある話で、「何億円を投資してしまったので、なかなか撤退できない」といった誤った判断は、民間でも公共の場でもあります。

さらに「改善の内容が、なんらかの取引内容に反映されるかを意識しておく」と書いています。これは茶番を避けるため、当然のことです。工場見学に行って指摘したり、あるいは作業改善したりしていただいたとしても、それを見積書として反映することを私たちは期待しているはずです。したがって、極論をいえば、見積書としてコストの下がらない改善というのは我々にとってあまり意味がありません。

もちろん取引先のコスト体質が強化されるので、中長期的には我々にもメリットがある、といった言い方はできなくもありません。しかしながらそう流暢なこともいっていられないはずですし、何よりも、こちらと一緒に改善したのだから取引先にもコストで協力をいただきたいものです。したがって、工場見学の前提で、見積詳細を入手しておきましょう。

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