6-(3)-2 QCDDP評価
P(Position:企業姿勢)とは何でしょうか。これまで、「なんだかあのサプライヤーってダメだよね」といわれてきた内容をできるだけ定量的に全社で評価しようとする試みの軸です。電話をかけたら5コール以上待たせたとか、営業のアシスタント女性が美しいだとか、メールに宛先を書いてこないから失礼だとか、なんでも良いでしょう。本当にそのことが自社にとって死活問題であるのであれば、是非評価軸として持つべきものです。そのことで自社と取引を継続することが困難であれば、正確な評価をしてあげましょう。もちろん、常識的にそんなことが重要だと私は思いませんが、それでもなお一般論ではなく自社にとっての「価値」を明確にすることは大切なことです。もちろん、Pは重みづけが0(ゼロ)でも構いません。
失注したときに、あっさりしたサプライヤーもいれば、「なぜウチが受注できないのだ」と苦言を呈するサプライヤーもいます。そのときに、しっかりとした評価を実施していれば(評価表を見せないにせよ)はっきりとした理由とそのサプライヤーが至らなかった点を伝えることができるはずです。多くのバイヤーは競合するだけですが、そのようにサプライヤーにフィードバックを確実にすることは次回以降のサプライヤー競争力向上にもつながります。
もちろん、「そんな評価は正しくない」という反論を受けることもあるでしょう。言い負かされることもあるかもしれません。他部門は直接サプライヤーとは会わないかもしれないから、バイヤーだけが対処するしかないかもしれません。でも、それでも良いじゃないですか。バイヤーとしての能力も磨かれます。それにじっくりサプライヤーと討議し、正面からぶつかることで、次の段階への道も拓かれます。他社(他者)を評価するとは、そういうつらさも伴うことなのです。
評価を評価で終わらせずに、明日への改善を目論見ながら。