4-(3)-2 コスト低減とコスト回避

価格を下げることは何でも「コスト低減」として評価している企業はたくさんあります。実際の調達金額を安くしたのか、高くなりそうなところを抑制したのか、では意味が全く異なるはずです。これからは実際にP/L(損益計算書)に影響を与えるか否かで、二つの切り分けを実施せねばなりません。

  • コスト低減(CR: Cost Reduction)
  • コスト回避(CA: Cost Avoidance)

この二つです。

コスト低減(以下CR)は「100円で買っていたものを90円にすること」です。コスト回避(以下CA)は「120円で買わされそうとしていたところを、110円で買えるようにすること」です。当然、前者はP/Lに好影響を与えることになりますが、後者は調達実績がないわけなので、P/Lに好影響は与えません。

黒板に書いた例はやや簡略的にしています。何がCRで、何がCAと言えるのか、実際の調達の例を考えてみましょう。

<設定>

初回見積りを入手後、継続して価格交渉・競合を実施。その後、目標価格にて合意し、調達を開始した。調達開始後も、材料の歩留まり向上や工程の動線改善等で、さらに価格を下げていった。

こう図にしてみれば分かるでしょうか。実際の調達を開始してから、それ以降下がった価格に調達数量を掛け合わせたものがCR。実際の調達開始までに下がった価格に、調達数量を掛け合わせたものがCA。こういうことになります。

初回見積りと実際の調達開始価格の差額を掛け合わせたものを全てCAと呼ぶかどうかは、企業・部門の方針に従うしかありません。調達・購買部門によっては、さらに初回見積りとの差額を表すCAと、値上げ申請を抑制したときのCAを分け(多くの場合はそれぞれに独自の名前を付け)、管理していることもあります。私は、そもそも実際のP/Lに影響しないCAをあまりに細かく管理することに意味と意義を感じません。たとえ、CRであっても同じです。ただ、そこは業界による差異もあるでしょう。そこは適宜アレンジしてもらうとして、私が言いたいことは「CRとCAの違いをはっきりさせましょう」ということです。

無料で最強の調達・購買教材を提供していますのでご覧ください

 

あわせて読みたい