5章2-2<セクション1~グローバル化の正しい考え方>

  • トランスナショナル 戦略
  • グローバル 戦略
  • マルチドメスティック 戦略
  • 母国複製 戦略

の四つです。これはきわめて抽象的ではあるものの、かなり示唆に富みます。

もしかすると、不思議かもしれません。たとえば、「グローバル統合への圧力」が強く「ローカル適合への圧力」が低い<グローバル 戦略>はなんとなくわかります。つまり世界各国に同一品を提供するために、本社が強い力を持って、かつ開発統合や調達統合(場合によっては集中購買)を遂行するものです。

それにたいして、ややわかりにくいのは、「グローバル統合への圧力」が強く「ローカル適合への圧力」も強い<トランスナショナル 戦略>です。グローバル統合せねばならない。でも、同時にローカル独自の仕様も検討していかねばならない。つまり、本社が強い力を持って、かつ開発統合や調達統合を遂行するけれど、かといって同一品を開発するのではなく各国に合わせたバラエティ豊かな商品提供をおこなう……というわけです。

 

・「I-Rフレームワーク」が示すこと

このフレームワークを活用すると、グローバル化についてさまざま考えつきます。グローバル化といっても、いくつかのパターンがあるのだ、と。たとえば、このフレームワークの「母国複製戦略」以外を、調達・購買業務にあてはめてみましょう(「母国複製戦略」はいわゆるグローバル展開の悩みではないため意図的に除外します)。

 

  • トランスナショナル戦略:ベース機種、ベース製品は、本社主導で調達構造を決定、そしてコスト決定をおこなう。ただし、各国拠点にも調達部門を置き、各国独自ニーズの発掘と、それに合致したサプライヤ選定をおこなう
  • グローバル戦略:本社集中での調達を進める。仕様統一などの開発購買業務は本社が主導し、各国はQD(品質・納期)改善に努める
  • マルチドメスティック戦略:完全分散型調達を推進する

 

タイプにおうじて、こういった基本方針が出てくるでしょう。自分たちの事業の形におうじて調達・購買部門も形を変えるのは当然ではあるものの、あまり的確なフレームワークがありませんでした。その意味でこの「I-Rフレームワーク」が使えます。

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