5章2-1<セクション1~グローバル化の正しい考え方>
現在、「グローバル化」なる言葉を聞かない日はありません。みなさんの問題意識としても「グローバル化は回避できない」「これからは全世界でビジネスをせねばならない」「そしてそれに応じて(良くも悪くも)購買組織も変化せねばならない」といった前提はあるように思います。
ただし、グローバルvsローカルなる対立はあまりに物事を矮小化している印象があります。もっというと、このような単純な二項対立だけでは現代を正しく記述できていません。ここで紹介したいのは、海外の実務家のあいだで使われている「I-Rフレームワーク」なる分析手法です。
この分析では、
- 「グローバル統合への圧力」:付加価値創造において複数の国をまたいで効率性や相乗効果、創発を生み出すために、多国間に存在する共通性を活用
- 「ローカル適合への圧力」:付加価値創造において個々の市場に存在する多様な事業機会とリスクに対して、個別市場ごとの特殊性に根ざした解決策を提示
という二つの軸を使います。
そして、さらにここから導かれる4象限について、各名称をつけます。