2章-2-1<セクション1~概要編『物流の基礎知識』>

・調達担当者のための物流知識

たぶん一般のひとからすると、物流も調達もひとくくりで、違いはありません。読者は調達・購買部門に属していらっしゃるので、そこに違いはあるとはご理解いただいているはずで、同時に物流の知識はさほどないはずです。そこで調達担当者として役立つ物流知識を説明します。

まず物流とはなんでしょうか。モノを運ぶことです。そして、その一連の過程をさします。物流とは、細分化すると四つの機能があるとされています。

  • 包装
  • 輸送
  • 保管
  • 荷役

の四つです。ちなみに、「輸送」と「配送」ですが中長距離を輸送で、短距離を配送と慣習的に呼びます。覚えておきましょう。

  • 包装:文字通り、商品を梱包したり、収納したりすること
    →包装とは、輸送や保管の過程で、品質を維持するために、容器や梱包材を使用したモノの保護です。輸送時のダメージから保護はもちろん、保管時の品質維持のためにも行われます。
  • 輸送:ある地点から、ある地点にモノを移動させること
    →輸送とは、モノと人の空間的な隔たりを取り払うための、場所の移動です。移動の手段には、車や船・航空機などがあります。輸送する場合は、それぞれの特性を踏まえて、QCDを兼ね備えた輸送手段を選択も必要です
  • 保管:在庫としてモノを管理すること
    →保管とは、モノを管理した状態での貯蔵です。ただ倉庫に置いておけば良いのではありません。保管している間にも、モノの品質が維持されるような管理も含まれています
  • 荷役:モノを運搬やしたりピッキング・仕分けしたりすること
    →荷役とは、荷物の積み込み、積み卸しで、物流に必ず発生する活動です。輸送や保管の前後に必ずおこなわれ、工場内、倉庫内での短距離の移動や、倉庫での仕分け、生産現場への払い出しといった作業も含まれます

最近では、これに

  • 流通加工:アセンブリーを実施して商品に付加価値を与えること
    →輸送するモノに対して、包装を行ったり、納入用の通い箱への詰め替え、販売用の値札を取り付けたりといった貨物への付加価値を与える機能です
  • 情報提供:サプライチェーン全体のスケジューリングを行ったり、計画を立てたりすること

などが加わりました。たとえば、「流通加工」では、商品を小分けにしてパッキングしたり、あるいは商品の修繕などを物流業者(のデポなど)でおこなったりするケースも増えてきました。また、「情報提供」という言葉とともに、TMSなる単語も登場しました。Transport Management Systemの略で、そのまま物流のシステムだと思ってください。これは物流の上流から下流までを統合したシステムで、各物流会社が自社優位性発揮のために客先とともに使用します。

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