調達原論2【5回目一歩進んだ調達業務改善】交渉の基礎

価格交渉は、適切な見積書を入手することが前提となる。そのうえで、重要なのは次の5つだ。

「優位な前提をあらかじめ作っておく」:交渉のきっかけが、「材料が高騰していて、いかに価格を値上するかが問題なんですよ」と雰囲気を作られてしまうと、サプライヤ優位だ。いっぽう、「アジア勢との価格競争が激しく、いかにコストを抑えるかが問題だ」とこちらから交渉前提を作ってしまうと、バイヤー優位だ。調達・購買担当者は、前提づくりに注力せねばならない。

「議題(アジェンダ)はこちらで用意し、提示する」:その交渉では、何を話すのか、何を決めるのか。必ずこちらが用意して、それにそって会話すべきだ。そうすれば、交渉の方向を自ら操作できる。議題は簡単なメモでも構わないのでこちらが提示しよう。

「議事録はこちらで書く」:すぐれたコンサルタントは、クライアントの打ち合わせ時に、かならず自分で議事録を書く。後世に残るのは議事録のみだ。そして、議事録は、かならず書いた側に有利に働く。議事録を作るものは交渉を制する。

「相手の決定権者を把握する」:目の前のひとが決定権者でなければ、できるだけ決定権者と交渉しよう。

「相手の規範を理解する」:会社理念やルール、過去の言動など。相手の要求を制止するために活用できる。

そして両社で一つの完成品を創出していると前提を忘れずに交渉しよう。

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