調達原論2【4回目一歩進んだ調達業務改善】見積書比較

以前、私の知る人で、「立ち技」を得意とするひとがいた。サプライヤとの打ち合わせ途中、ライバルの見積書を裏返して、10分ほど席を立つのだ。もちろん、見ておけ、というメッセージを発していた。死ねばいいと思う。

真摯な見積書比較とは、文字通り見積り書同士の比較だ。案件を競合し、相見積もりを入手するとき、この見積り書比較は欠かせない。しかし、単に比較するだけでは意味がない。見積り書比較の際には、最安価サプライヤの次なる改良点の明確化と、敗者サプライヤの改善ポイントを明確化せねばならない。

調達・購買担当者は、最低限、次を確認せねばならない。
1.設計目標(コストテーブル)に対して、最安値サプライヤは、それ以下になっているか。あまりにコストテーブル以下の場合は、その端的な理由
2.最安価サプライヤについて
(1)他サプライヤよりも競争力を発揮できる項目の理由
(2)他サプライヤよりも比較劣位な点の説明
(3)次なる改善の方向性
3.敗者サプライヤについては、今後なにを改善させていくか

見積書査定は、むしろ、はじまりの業務なのだ、と認識することが重要だ。勝った方も、負けた方も、見積書の提示を通じて強くなれる。そして、それは調達・購買側にもメリットをもたらす。調達・購買業務が単なる事務作業ではなく、将来の種をまき、自社のサプライチェーン強化する仕事ではあるが--、結局はこのような地道な行為によってしか成し遂げられない。

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