調達原論【19回目】サプライヤ評価のススメ

日々の調達を重ね、その結果から中長期的な調達戦略に結実させる。どのサプライヤは優れている、どのサプライヤは改善が必要だ。そしてどの領域に新規サプライヤを参入させるか。そのときにサプライヤ評価が欠かせない。

サプライヤ評価は、購入金額の多いサプライヤでかまわないので、できれば年に一度がふさわしい。それまでの1年間で、そのサプライヤのQCD(品質・コスト・納期)はどうだったのか、データを集計し採点する。サプライヤ評価軸を設定し、自社がサプライヤに求める項目と採点基準を明確にする。評価主体の部門を決め、評価を実施する。

ところで、サプライヤ評価に取り組もうとするとき、あらゆる項目を盛り込もうとする。しかし、50も100項目も評価しようとしても長続きしない。せめて20~30の項目に絞り込むべきだ。それより重要なのは、次の二点だ。

  • 調達・購買部門のみではなく、関係部門と協業し評価軸を設定する
  • 継続した評価、評価に応じたシェア変動により実効性のある評価となる

まず成功するサプライヤ評価のためには、調達・購買部門だけで実施しないことだ。それではサプライヤに全社一丸となったメッセージとはなりにくい。「弊社の統一見解をもとに御社を評価した」という重さが必要なのだ。

そして項目うんぬんも重要だが、もっと重要なのは、優れたサプライヤに発注量を増やし、改善の見られないサプライヤに発注量を減らすという、信賞必罰だ。実行の伴わない評価には実効は伴わない。QCDに優れたサプライヤの発注量が増えなければインセンティブは生まれない。

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