調達原論2【12回目一歩進んだ調達業務改善】サプライヤとの戦略的癒着

これから、調達・購買担当者に求められるのは、「競争すべき分野」と「サプライヤと一体になって取り組むべき分野」を区分することだと私は思う。後者を私は「戦略的癒着」と呼びたい。戦略的癒着のために、次の三つの思考法が重要だ。

  • サプライヤをパートナーとみなす
  • サプライヤへ情報を秘密にするのではなく、オープンにする
  • Win-Winのコラボレーションを目指す

いまではサプライヤの能力と技術を調達する時代になっている。「共に創り上げる」という気持ちが大切になってくる。また、共同開発を行うサプライヤには、自社製品のロードマップ等を示すことで、サプライヤはそれに応じた社内体制の構築が容易になる。

そして、サプライヤを敵対する対象ではなく、利益共同体としてのパートナーという位置づけに変える必要がある。Win-Winというのは簡単だ。ただいまだに「相手の利益はむしり取れ」「サプライヤが儲かっているなんて許せない」と考えてしまうひともいる。ゆえに、

・       サプライヤの管理比率を両社で合意し決めておく

・       期毎に管理費として得た利益の使途を両社でレビューしていく

という地道な活動が必要だろう。製品毎に利益をいくら与えるのか、そしてそれらをどのように使うことで競争力を上げていくのか。サプライヤの内部に入り込んで、そこまでやる。それこそが、「戦略的癒着」だと私は思う。

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