調達原論2【13回目一歩進んだ調達業務改善】サプライヤ集約と部品集約
このところ「サプライヤ集約」「部品集約」といった言葉をよく聞く。しかし、実態はどうか。「部品を集約したから安くしろ」と調達・購買担当者がサプライヤに要望しても「そもそも部品を増やしたときに価格を上げていないから、集約されても価格は下がりません」といった茶番があちこちで繰り広げられている。そもそも何のための集約なのか。部品が多くても市場から付加価値を認めてもらえるならいいではないか、という観点がすっぽり抜け落ちている。
集約を図にまとめてみた。①から④にいたる道程のなかで、自社が目指しているのはどこだろうか。根本から考えてみよう。最新の技術を様々なサプライヤからどんどん取り入れて、集約ではなく拡散させてた方がマシではないか。と、そういう選択肢があっても良い。それだって立派な戦略だろう。
- 集約することによって、どのような効果が期待できるか
- 集約の効果は、集約することによって失う(金銭的・技術的)ものよりも大きいか
- 集約の先にある姿は、自社の目指す姿と合致しているか
とくに昨今では、生産設備の施術が高度化し、以前では考えられないほど進歩している。生産品目がいくつあっても、ボタン一つで多様な加工が可能だったり、成形も可能だったりする。「部品が増えても全然問題ありません」と言い切るサプライヤもいるくらいだ。
おそらく単純な集約思考しかできない調達・購買担当者こそ淘汰され、集約されるだろう。