調達原論2【15回目一歩進んだ調達業務改善】サプライヤ情報の備蓄と活用
新規サプライヤを探しているとき、やっと候補を見つけたと思ったら、「おたくから数年前にもお越しになりましたよ」と聞かされるケースがある。先輩諸氏もそのサプライヤに目をつけていたのだ。しかし情報が共有されていない。
そのため、サプライヤデータベースを整備しよう。既存・新規サプライヤの各種情報まとめだ。。そして、それを個人の持ち物ではなく、社内で共有しよう。
各種情報とは、サプライヤの生産品目、組織体制、体質・業績・取引(状況)、特色等を指す。取引関係になく、調査段階にあるサプライヤであっても調べた情報を記録・公開しておくことは将来の財産になる。
また社内イントラネットに簡単でもいいのでサプライヤ基本情報を掲載しておく理由は三つほど考えられる。
- 戦略を構築する材料にできる・・・どこから何をいくらくらい調達しているのかを知ることは戦略構築の基本。
- 社内説明の資料にできる・・・自部門や設計部門にサプライヤを紹介するとき、あるいは特定のサプライヤシェアを増減させたいとき。生産品目や体質・業績が、まとまっていれば非常に有効な説得材料となる。
- 時間を短縮できる・・・一定期間ごとにサプライヤ情報を整備しておけば、新たな見積り依頼などをスムーズに行なえる。また、自部門内外から特定サプライヤの情報提供依頼があったときも素早く対応が可能だ。
そして会社から出張費を出してもらって調べた情報は全員のものだ、という意識が調達・購買担当者には必要だと私は思う。