調達原論2【7回目一歩進んだ調達業務改善】値上げ抑制の方法
サプライヤから値上げ申請がきたらどうするか。そもそも見積書は有効期限内ではないかを確認する。有効期間内や契約期間内に値上げはいただけない。都度交渉品の値上げであればどうか。サプライヤとは、基本取引契約書を締結しているはずだ。そこには、調達品の安定供給を掲げている。拡大解釈すれば価格の安定と捉えられなくもない。原材料が値上がりするのはきわめて厳しい状況だろうが、コスト抑制の努力もサプライヤに問いたい。
通常、製造業者であれば「材料投入段取り改善効果」「設備段取り時間改善効果」「作業段取り時間改善効果」等々、コストが下がる側面もあるはずだ。
サプライヤにだけ負担をさせるのではなく、真摯に討議するために、コストが上がっている側面だけを見るのではなく、コストが下がっている側面も合わせて見るのが合理的な態度だと私は思う。
そして、値上げ幅が妥当だったときにどうするか……。議論がわかれる。私の意見は、「適正な値上げをするべき」というものだ。妥当・適正な価格査定を信条とする以上は、やむなきことです。調達・購買機能の役割は、「適正に買う」ことだ。彼らが合理的根拠をもって生産効率化等により、価格を下げてもらうのであれば、逆に市況上昇の際には、値上げも認めるべきだろう。
とくに下請法対象メーカーには、市況高騰時に、価格を据え置いただけでも「買いたたき」とみなされる可能性がある。論理性と根拠をもって査定せねばならない。価格査定とは「メッセージ」だ。真摯な態度を表明することであり、適切に行うほど中長期的にはコスト低減に寄与するはずだ。