調達原論2【6回目一歩進んだ調達業務改善】値上げ申請への対応

値上げ申請がサプライヤから届くと、調達・購買担当者の態度は大きく二つで、ヒステリックに拒絶するか、あるいは、抑制の交渉をはじめる。しかし、まずは冷静に特定材料がほんとうに値上がりしているか確認すること。または生産数量が極端に少なくなったための値上げであれば、発注数量が激減しているか確認することだ。とくに後者の場合は、発注数量が上がっている品目もあるだろうから、それについて値下げしてくれているかも確認すべきだ。

特定の原材料が高騰している理由であれば、その市況を調査してみよう。まずは見積書からだ。そもそも見積書には原材料単価が記載されているだろうか。記載されていない場合は、そのまま交渉材料として使うのは一手だろう。なぜならば、書かれていない以上、値上げを検討すらできない。

あるいは、いつの時点から市況が上がっているのか明確にしよう。そのうえで使えるのは、日本銀行時系列統計データ検索サイトで、あらゆる市況価格推移を調べられる。市況の全体推移を見ておくのだ。

そこでサプライヤのいう材料の値上がり幅と、市況の値上がり幅を比較する。また、これまで市況が下がっている局面もあるはずだが、そのときにはサプライヤは値下げ申請書を持参してくれたかもチェックしよう。

市況高騰時にはサプライヤからの値上げ申請書が文字通り山のように届く。下落時には一社からも来ないケースがある。下請法対象メーカーであれば材料高騰時に据え置きはできない。しかしこれを好機に価格改定ルールを設定すべきだろう。調達・購買担当者は不公平を許すべきではない、と私は思う。

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