調達原論2【9回目一歩進んだ調達業務改善】サプライヤ評価
ひごろサプライヤと取引をするとデータがたまってくる。そこで、それを年度総合評価に活用し、中長期的なサプライヤ戦略に結びつけるのが重要だ。サプライヤを選別し、集中した取引を実施する。これがQCDを高めるに有効だ。
なぜならばサプライヤにとっても、多く受注できる企業向けには経営資源(人・カネ・物)を投資できる。技術開発も進む。サプライヤのうまい管理を、サプライヤマネジメントと呼ぶ。サプライヤマネジメントは、「公正なサプライヤ評価による サプライヤ戦略に基づいて、 サプライヤを層別化・差別化し扱うこと」と定義できる。それにはサプライヤ評価が基本となるのだ。
基本的には、次を大項目として使う。
1.品質、2.コスト、3.納期、4.技術・開発、5.経営
この5つだ。評価の詳細内容はそもそも自社が何をもってサプライヤを評価したいかによる。ただ、注意点が二つある。
まずは、できるだけ調達・購買部門だけで評価しないことだ。サプライヤにたいして、やはり全社一丸となった評価ではないとメッセージとして弱い。関連部門で役割を設定して評価をしてサプライヤについて全体で考えていく。
そして、評価結果を次年度以降のシェアに反映させることだ。高評価でも発注量が伸びない、あるいは逆に低評価でもシェアが伸びていれば、なんのための評価かわからない。またサプライヤも改善のインセンティブをなくしてしまうだろう。私はいまサプライヤの立場にもいるが、残念な担当者いつも「おたくの評判はいいけど、社内のしがらみで仕事量を拡大できない」という。