調達原論【20回目】サプライヤ評価軸の設定
どのサプライヤと中長期的につきあうか。戦略構築は、年に一度のサプライヤ評価をもとにする。その際にサプライヤを多面的に評価することが大切だ。そしてQCDDM(品質・コスト・納期・開発力・経営力)など100点満点で採点し、そのランクに応じてカテゴライズしていく。
その際に、よく使われるのは、サプライヤ階層毎の名称を決めておくことで、それを社内の合言葉にする。その評価結果を社内へ公開することによって、サプライヤ選定の基準とする。
- A:自社にとって重要サプライヤと位置づける。技術的な提携を含め、今後積極的な発注量の増加をはかる
- B:推奨サプライヤとして、Aに次いで今後継続した取引を行っていく
- C:自社と取引は可能。ただし、各評点内容として不十分な点も見受けられるため、改善指導・育成を行いながらA・Bへのランクアップを図る
- D:新規品採用を停止する、または代替サプライヤを検討する
ただし現実的に悩むのは、社内公開の「ていど」だ。すべてを公開してしまうと、社外に漏れ、不用意な誤解を生む。しかし、すべて秘密だと意味がない。そこで、他部門については部門長までの公開と限る場合がある。
また、A~Dランクとわけたからといって、翌日からA・Bランクのサプライヤへの発注が増えることにはならない。日々の調達のなかで、どうしても代替できないからとDランクサプライヤへの発注依頼が届くことも多々ある。
だからこのうえで、調達部員に必要なのは、社内を説きつづける愚直さだ。