調達原論【21回目】サプライヤの相対評価

サプライヤと接する際に、サプライヤ戦略が必要となる。そのとき、汎用的に使えるのが、サプライヤの自社依存と、自社のサプライヤ依存で4つの象限にわけるやり方だ。

  • 相思相愛:お互いの依存度が高い。このような場合は、定期的な懇談会を実施することにより、調達戦略と先方の営業戦略を合致させる必要がある。それによりサプライヤの優先順位をあげてもらい、人的リソースを確保していく。
  • 片思い:こちらの依存度は高いが、サプライヤの依存度が低い。このような場合、技術的に排他性があれば、こちらに振り向いてもらえるように発注量の増加を図る。同時に、「相思相愛」ゾーンのサプライヤに参入してもらうことにより寡占打破を狙うことが必要だ。
  • 愛され:こちらの依存度は低いものの、サプライヤの自社依存度が高い。このような場合、他社への売上増を勧めつつ、「相思相愛」ゾーンにはいってもらえるよう、一層のコスト競争力の強化を図る。
  • 同床異夢:双方の依存度が低い。このような場合、残念ながら訴求力が低い。可能ならば、代替として他事象のサプライヤに仕事を任せるべきだ。

さらに重要なのは、「相思相愛」ゾーンのサプライヤに危機感を醸成することだ。恒常的に受注できると思えば、自発的な改善が滞る。「相思相愛」でも、数年後にコスト競争力が劣っていれば、「片思い」に堕するのだと日ごろの競争力向上を促すよう、日々の紳士的な「脅し」が重要だ。

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