調達原論【22回目】サプライヤ通知書の公開

サプライヤを評価し、サプライヤ戦略を練る。そのとき、サプライヤに対して、自社がどのように評価しているかを通知し、そのうえで足らないところの改善を促す。まるで義務教育における通知書とおなじだ。しかし、この通知書がややこしい。というのも、細かな評価基準や点数を公開してしまうと、その基準についてアンフェアだと反論を受ける。私のコンサルタントとしての実例として、「社長の人柄」という項目を評価した企業があったが、翌日に該当社長から「俺の人柄1点とはどういうことだ」とクレームがあった。しかし、すべてを隠すと、何を改善してよいかサプライヤはわからない。

  • オープン型:サプライヤ評価・評価手続をサプライヤに公開し、完全フィーババックを実施
  • クローズ型:サプライヤ評価の評価基準や手続き、具体的評価結果は秘密

それぞれにメリットとデメリットが有る。

ここで私の現時点の考えを披瀝するならば、資本関係があったり、長期間の取引関係があったりする場合は、オープン型がふさわしい。ただ、取引量が多くても、浅い取引期間しかなかったり、まだ双方の人間関係が構築できていなかったりする場合はクローズ型がふさわしいだろう。

ただ重要なのは、自社のサプライヤ評価を伝えると同時に、次期以降の改善項目についてフォーカスすることだ。たとえば品質を改善してほしい、特定海外地域に進出してほしいなど、焦点を将来に向けるべきだ。あら探しではなく、両社の未来に寄与するための評価であると納得させなければ生産的ではない。

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