4-(1)-4 新規サプライヤーの発掘「新規サプライヤーを探すとき」

必要に迫られて新規サプライヤーを探すときは、一般的に日本企業では厳格すぎるほどのプロセスを経ます。

企業経営体質から、製品ラインナップ、開発力、生産キャパ、品質保証体系、サンプル品検査、価格。これらを各部門で点数付けし、基準点を超しているかがチェックされます。

バイヤーとしては全てに目を光らせる必要があります。

ただ、実務上で特に重要となってくるのは

① 初回見積りが「名刺コスト」でないか

② 納期対応は優れているか

になります。①に関しては、できるだけ初回に詳細見積りを提出してもらうことです。そして、これ以降も必ずこのレベルでの見積りを提出することを約束させることです(議事録に残してもよいはずです)。初回ですから、サプライヤー側もこちらの要求を受け入れてくれることが多いはずです。

例えば、成型品でしたら、「○○という材料はKgあたりいくら。加工費は○○tプレスあたりいくら。利益率は○○%を加算する」という詳細内容を把握しておくのです。

そして、同時に「これは特別価格ではなく、通常レベルだ」ということを両社で確認しておくのです。

そうすれば、次回以降に利益率が初回以上になることは抑えられます。

②に関しては、何よりも現場を見に行くことだと思います。生産効率がどうか、5Sがきちんとできているか。

標準的なリードタイムを確認し、それが自社の通常発注リードタイムと合致しているかも確認せねばなりません。

バイヤーはどうしても見た目の安さだけに注目しがちですが、当然のことながら要求納期に全く合わないような生産形態しか持たないサプライヤーを選択することはできません。

そして、重要なことは、新規サプライヤーを参入させるときも、させないときもその理由を明確化してサプライヤーに伝えることです。

こういう点が特に優れていた。こういう点はやや劣る。こういうことを期待している。メッセージを受けた営業マンはバイヤー企業から求められていることがはっきりしますし、社内に伝達してもらったときにサプライヤー全体にこちらのメッセージを浸透させることができます。

逆も然りです。参入させられないときは、その理由を明確化すべきです。その理由も社内に伝達してもらうことで、改善につながりますし、将来よりよい姿を見ることができるはずです。

そして、まさにそれこそが、自らサプライヤーを選択してゆくという能動的な態度ということができます。

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