4-(1)-3 新規サプライヤーの発掘「新規サプライヤーを探すべきか」

私は最初に、新規サプライヤーを発掘する場合について述べました。

(1) 既存のサプライヤーだけでは、将来安定した調達が困難になる場合

(2) 既存のサプライヤーからは調達できない仕様・製品を必要とする場合

(3) 戦略上、新規のサプライヤーが必要になった場合

おそらく、単純に目の前のものを安くしたいだけで中国の新規サプライヤーを活用する、という場合は上記にあてはまっていません。

短期的なコスト低減の視点のみで新規サプライヤーを発掘しようとしても、中長期的には上手くいかないはずです。

その場しのぎで活用されようとしてもサプライヤーが本気になるはずもありません。やはり、長期的な戦略を前提にこちらの想いを伝えるというプロセスが必要になってきます。

ですから、「どうやって探すか」の前に、まずは本当に新規サプライヤーと付き合う必要・覚悟があるかを自らに問わねばなりません。

加えて、なぜいきなり中国にいってしまうのか。

他社のバイヤーで、中国にサプライヤーを探しに行く出張を経験した人たちと話をしたことがありますが、そのほとんどは日本国内にある他の企業をほとんど調査したことがないようでした。

自分が付き合っている50km圏内のサプライヤーしか知らないのに、いきなり中国とは飛躍しすぎです。

「中国のサプライヤーから10%も安い金額が届いた」と驚いても、ちゃんと調べればそれよりも安いサプライヤーが日本国内に存在することはありえます。

そして、大声ではいえませんが、バイヤーたちはかつて中国サプライヤーから見積りをとっては、それを既存のサプライヤーに見せて「これよりも安くしろ」という交渉を繰り返していました。新規サプライヤーを真剣に探す気など最初からなかったわけです。それなら、中国サプライヤーの見積りを偽造した方がずっといい、と思います。

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