6-12いざ、交渉へ! ~意外に重要な交渉する「場」の設定

交渉は準備もさることながら「体裁」によって結果に大きな影響を与えます。交渉するのは人ですから心理面で有利になる体裁を整えるのも、交渉を有利に運ぶ上で重要です。具体例から体裁の整え方を学びます。

☆来てもらうか、出向くか

日本の商慣習は、調達購買部門は有利な場所で交渉できる立場にあります。サプライヤーは顧客を訪問しますね。したがって常にホームでの戦いです。しかしサプライヤーの営業パーソンは度重なるバイヤー企業への訪問による「慣れ」で、アウェイであっても交渉を左右するほど大きな影響を及ぼさなくなっています。

逆にバイヤー企業からサプライヤーへ出向くケースを考えます。一般にバイヤー企業が交渉をメインにしてサプライヤーを訪問するケースは少ないでしょう。しかし少ないケースだからこそサプライヤーにとっては不慣れな状況と判断できます。交渉の都度訪問する必要はありません。たまにはバイヤーがアウェイで交渉し、営業パーソン以外にも同席をお願いし、自分たちの実情を直接伝えるのも効果的です。

☆予定するか、突然か

交渉を勝負に例えたとき、勝ち負けを分けるのは準備次第と6-11でお伝えしました。十分に準備し突然訪問して行う交渉は、有利な結果を導ける可能性も大きくなります。いわゆる奇襲攻撃と同じです。

突然の交渉を目的にした訪問はあまり褒められた話ではありません。しかしバイヤーは突然交渉をもちかけられる場合を想定しましょう。長期的な交渉では日常的に交渉準備を行います。したがって突然の交渉者の来訪に、慌てずに対処できます。自分から突然の交渉を始めなくても、相手からもちかけられた場合を想定し準備しましょう。

☆出席者の選定

交渉の場に同席するメンバーも交渉結果に大きな影響を与えます。組織ではバイヤーが交渉者とならないケースもあるでしょう。上位者の指示によって同席者が決定する場合、交渉の主導者を想定して、担当バイヤーから事前のレクチャーを十分に行います。バイヤーが交渉の当事者でなくとも、交渉コントロールは可能です。(牧野直哉)

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