5-2サプライヤーを知るための情報収集方法
サプライヤーマネジメント実践には、サプライヤーの状態を的確に把握します。まずサプライヤーから適切に納入が行われている事実を確認し、納入できる能力を持ち続けられるようにサポートします。
☆サプライヤーから入手する情報
① 取引を始める際に入手する情報(資料)
次の資料は購入開始の際、または内容の更新があったときに入手します。特に(4)財務諸表は、サプライヤーの決算ごとに入手しましょう。定期的にすべてのサプライヤーへ情報提供を要請し、入手漏れを防止します。
(1)会社案内
(2)製品カタログ
(3)登記簿謄本
(4)財務諸表
(5)得認証の認定証コピー
② バイヤー企業側のフォームに記入して提出する情報
次の資料は、バイヤー企業側でサプライヤーを管理するための基本的な情報です。自社で指定フォームを作成し、記入して提出してもらいます。
(1)サプライヤー調査票
(2)コミュニケーションチャンネル一覧表(サプライヤーの組織と役割分担がわかる)
(3)支払うために必要な情報(銀行、口座種別と口座番号)
☆購入情報の入手
発注した購入品が、要求条件通り納入されたかどうか。次の2つの情報を入手します。
①不良発生率
納入件数に対して、どの程度の不良を発生させているかを表すデータです。サプライヤーの品質が継続的に確保されているかどうかの確認を目的に入手します。時系列データで変化の兆候を見極め、不良発生率が高まれば調達購買部門から改善を申しいれます。
②納期順守率
契約納期が順守されているか、納期遅延が発生しているかを掌握するデータです。事業が適正に運営されれば納期は守られます。納期順守率が時系列に変化が生じればサプライヤーから状況を確認します。
☆キーマンの掌握
コミュニケーションチャンネル一覧表に加え、日々のやり取りからサプライヤー内の意志決定に影響力をもっているキーパーソンを見極めます。キーマンへの対処がサプライヤーマネジメントのポイントです。戦略的にサプライヤーを攻略する際の糸口をバイヤーとして掌握します。(牧野直哉)