4-8購入準備① ~買いたいモノは明確になっているか~

購入するときにもっとも重要な点は買いたい内容の具体化です。欲しいモノを数値や文章、図面で表現しサプライヤーへ確実に伝え、サプライヤーも理解しやすい内容にすることが、発注作業を円滑にします。

☆明確にするのは5つの条件

調達購買部門が購入する場合、次の5つの項目を明確にサプライヤーに連絡します。5つすべての内容が購入価格に影響し、サプライヤーへ注文書を発行するために不可欠な情報です。

①仕様

仕様書や図面でサプライヤーの担当者が納入する内容を理解します。購入要求部門で作成します。

②量

受注量や社内的な必要量などによって購入要求部門で決定します。

③納期

2つの要素があります。1つ目は自社要求部門からの希望納期。2つ目はサプライヤーが納入可能なリードタイムです。この2つの日付や、発注日から換算した所要日数によって、必要に応じて自社/サプライヤー双方に、調達購買部門から発注前の調整を行います。

④品質管理レベル

顧客要求を満足させる品質レベル確立に、サプライヤーで品質管理する要求事項を決定します。購入品の重要度合いによって、サプライヤーの品質管理体制やプロセスを事前確認します。

⑤その他

支払い条件や保証期間といった基本的な取引条件や、顧客から特別な要求がある内容、たとえば性能確認の方法といった内容を明確にします。

☆明確にする理由1 ~リスクの排除~

上記5つの条件が不明確な場合、購入価格決定ができません。また上記5つの条件をサプライヤーがすべて実現できるかどうかも、買いたいモノを明確にしてはじめて判断できます。価格に影響を与えない内容で、後日あらめて条件を設定する場合もあります。その場合は条件を合意する期日を明確にします。

不確定な要素を残したまま発注するのはリスクを抱えているのと同じです。そのリスクが顕在化してしまった場合見積金額がアップします。購入するモノの価格妥当性を見極めるため、購入条件の明確化が必要です。

☆明確にする理由2 ~サプライヤーの確保~

調達購買部門は、購入条件に見合った適切な生産能力をもつサプライヤーへ発注します。そのため条件が決定してからサプライヤーを探すのでは遅く、タイミングを逸してしまいます。あらかじめサプライヤーの能力を掌握し、条件が明確化したらすぐにサプライヤーに対応可否を打診します。短納期ニーズは引き続き高く素早いアクションが必要です。(牧野直哉)

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