5-3サプライヤー情報の活用方法 ~評価する
サプライヤーから情報を入手したら、同じ基準で評価します。評価結果で区別するプライヤーを決定します。
☆サプライヤーの評価基準の設定方法
サプライヤーマネジメントでもQCD(Quality:品質の向上、Cost performance:低コストの実現、Delivery Date:必要な時期に届ける)を基本に評価します。加えてサプライヤーが適切にQCDを実現し維持管理できるマネジメントを行っているかどうか評価します。具体的には、表の1の項目が該当します。
☆評価方法
評価項目は、明確な判断基準も必要です。評価は担当バイヤーが行います。評価結果を意志決定の根拠にする場合、評価基準が曖昧だと誤った決定を行う可能性も生まれます。評価基準は、客観的、わかりやすく設定します。
評価項目と判断基準はサプライヤーへ公開します。新しくサプライヤーを採用する場合、まずサプライヤーに自己評価してもらいます。その上でバイヤー企業の評価と対比しましょう。評価基準の理解が同じになれば、妥当性のある評価結果です。
これらの取り組みによって、偏った評価を防止します。
☆評価する基準の見直し
評価基準は、継続して評価するため頻繁な変更は避けます。一方経営戦略の方向性とは整合性が必要です。経営戦略の注力分野に合わせて、各項目の重要度を変更します。輸出企業が急速な為替変動によって価格競争力を失った場合、バイヤー企業はよりコスト競争力をもっているサプライヤーへ発注を行う必要性が示されます。このような場合、コスト面で評価の高いサプライヤーを抽出し発注検討します。コスト優先でも、品質やリードタイムは軽視できません。コストだけを優先させ他の要素を軽視し、結果としてトータルコストが高くなる事態は避けます。重点を置くポイントと他の要素のバランスを図り、経営戦略にも合致するサプライヤーマネジメントを実践します。(牧野直哉)