9-5続発する自然災害とサプライチェーンの継続

世界で発生する地震の10%が日本で発生すると言われています。繰り返し発生する地震対策は行われてきました。しかし近年、地震以外の自然災害予防対策が急務になっています。

☆地震以外の災害対応必要性

東日本大震災や熊本地震の被害は、日本企業に対して大地震への対策推進の原動力でした。サプライチェーン断絶防止対策が進んだ反面、その後大阪や北海道の地震では、過去に発生した地震とは異なる被害が発生しました。2018年9月に発生した北海道胆振東部地震では、電力会社管内全域(島しょ部を除く)で停電するブラックアウトが国内ではじめて発生しました。地震被害は発生した場所と時間で被害も大きく異なり、予防対策に終わりがない現実を見せつけられた災害でした。

近年は地震に加え、大雨による大規模災害が繰り返し発生しています。地震と異なり大雨は気象情報による予測が可能です。繰り返す自然災害に備え、全国の地方自治体ではハザードマップ(被害予測図)が整備されています。自社の所在地はもちろん、サプライヤー所在地の被害予測を掌握して災害対応を立案します。

☆災害に強いサプライチェーン化

自然災害から供給網を守るため、従来は供給拠点を複数化する取り組みの必要性が叫ばれました。供給拠点の複数化は効果的な取り組みです。しかし災害の発生していない平常時の合意事項が、あらゆる被害にも対処できるか課題が残ります。最近ではサプライチェーンの一時的な断絶はやむを得ないものの、供給再開までの復旧に要する時間を短縮する災害ダメージを軽減する取り組みが広がっています。

具体的には、工場やオフィスの耐震性能を強化したり、災害発生時も最低限のコミュニケーションを可能にする衛星電話を各拠点に配備したりといった取り組みです。従来の供給元の複数拠点化は、災害発生時の供給維持には有効に機能するかもしれません。しかし発注量分散は平常時の購入価格アップへの対処が課題です。発注量に応じて、闇雲に供給拠点の複数化を求めず、費用見合いで実効性のある対策をサプライヤーに求めましょう。

☆供給を維持するために人を守る

災害ダメージを軽減する取り組みは従業員の命を守る対策でもあります。断絶したサプライチェーンを再開させるのも人です。サプライチェーン断絶防止対策は、自社もサプライヤーも従業員の命を守る取り組みが最重要です。

繰り返される自然災害の発生によって従業員の安否確認システムの導入が進んでいます。しかし企業で立案された事業継続計画(BCP, Business Continuity Plan)は、結果的に会社稼働日の業務時間に自然災害の発生を想定しているケースが見受けられます。従業員の命を守るためには会社のBCPだけではなく、従業員全員に自宅や通勤時の災害発生を想定し対策して、実際に発生したときに従業員すべてが慌てない対策も必要です。

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