5-8サプライヤー能力が不足していたら ~サプライヤー開拓する
サプライヤー評価し、問題点の解決を試みた結果、改善は難しいと判断する場合、新しいサプライヤーとの取引を模索します。サプライヤー開拓の注意点について考えます。
☆なぜミスマッチが起こったのか、原因を突き詰める
バイヤー企業の要求条件をサプライヤーが満たせない事実は、調達購買部門として深刻に受け止めます。日常的に購入にリスクを抱えている状況です。一刻も早い改善が必要です。
調達購買部門では、一刻も早くミスマッチが起こった原因を明らかにします。新規サプライヤーとして採用したときや継続審査では問題がなかったはずです。バイヤー企業の評価基準の変更がなければ、サプライヤーに変化があった可能性が高いと判断します。具体的にどのような原因によってミスマッチが発生したのか原因を明らかにします。
☆サプライヤーに求めるリソースを突き詰める
原因を解明した結果サプライヤーに問題がある場合は、要求を満たす新たなサプライヤーを探しましょう。一刻も早く、問題=リスクの排除に取り組みます。
新しいサプライヤーを探す際はすべてのリソースを新たに確認・評価します。特に要求条件を満たせなかったサプライヤーは、どこに問題があったのか原因を明らかにし、新しいサプライヤーで対応できるかどうかしっかり確認します。
将来的に、新しいリソースが必要になる場合や、より良いリソースをもつサプライヤーを探す時とは異なり時間的な制約を意識しつつ対応可能かどうかを確認します。
☆調達購買部門が求めるのは「能力」
バイヤー企業がサプライヤーへ求めるのは、要求条件への対応能力です。なんらか問題が顕在化した際、新たなサプライヤーへ活路を求めるのと同時に、すでに取引のあるサプライヤーに、活用していないリソース=製品やサービスが存在するかどうかも合わせて確認します。またサプライヤー評価の際、事業全体へ興味を広げどんな製品やサービスを扱っているのかをあらかじめ情報として入手しておきます。
加えて要求条件を満たせなかったサプライヤーの存在と満たせなかった条件を調達購買部門で共有します。全バイヤーの知識を総動員して問題の解決の糸口をつかみましょう。このような取り組みは、担当バイヤーには少し酷な取り組みに映るかもしれません。しかし定期的にサプライヤーを調査し評価を行っていても、サプライヤーの変化は起こってしまうのです。起こってしまった問題よりこれからの対応に主軸を置きます。このようなケースはバイヤーであれば誰しもが経験します。問題点の解決を迅速かつ確実に実施しましょう。(牧野直哉)