5-7サプライヤーの何を管理するのか ~サプライヤー能力管理~
サプライヤーマネジメントは、バイヤー企業の購入ニーズに応えるために、サプライヤーと最適な関係を構築し維持するためのマネジメントです。主な3つのポイントについて考えてみます。
☆「管理」の定義
「管理」とは、サプライヤーの能力とバイヤー企業のニーズとのギャップが発生したとき、改善させるか別のサプライヤーに発注先を変更するかを決定します。
サプライヤーの中には、しっかり顧客管理を行って顧客を「区別」して対応を変化させている企業もあります。サプライヤーの企業としての管理レベルの高低に関係なく管理は必要です。管理を行う内容がサプライヤーによって異なるのです。
☆「管理」すべき対象領域
サプライヤーの評価項目です。具体的には、
(1) 品質管理能力
(2) コスト管理能力
(3) 納期管理能力
(4) 開発能力
(5) ポジショニング(ロイヤリティ)
の5つです。この5つの領域がバイヤー企業の要求内容を満足していれば、続いてサプライヤー能力の維持管理能力を確認します。確認した維持管理方法が実践されているかどうか、定期的に監査を行ってチェックします。
☆バイヤー企業の要求内容を満足していない場合の対応
サプライヤーを評価した結果、なんらかの問題が発見された場合、上記(1)~(3)の評価結果は、問題の所在とともにサプライヤーに伝えます。同時に問題解決を申し入れます。その際問題解決までのプロセスを明確にして具体的な対応スケジュールの提出を求めます。
問題解決を申し入れたものの、サプライヤーに改善の意志がない場合や、改善に必要なリソースがサプライヤーに存在しない場合、「改善指導」をするかどうか決定します。バイヤー企業が指導する価値があるかどうかを厳格に見極めます。サプライヤーの改善意志はもちろん、指導した結果でバイヤー企業が得られるメリットも確認します。
サプライヤー評価は、問題点を事前に発見し対策を施し問題点を排除して、一連のマネジメントが完結します。バイヤー企業の指導でも改善できない場合、発注先を変更する厳しい判断も想定します。(牧野直哉)