先週の調達・購買担当者が見るべきニュース(5月4日~5月10日)
2024年5月10日
製造業、値上げ・円安で好調=3期連続最高益へ―上場企業・24年3月期
https://sp.m.jiji.com/article/show/3232641?free=1
2024年5月10日
3月実質賃金2.5%減、24カ月連続マイナス 減少幅拡大=毎月勤労統計
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/HRTWWEAJDFMALIEOYPEXBE6CYU-2024-05-08/
この2つの記事を合わせ読むと、製造業では発生費用アップが認められやすい、許容されやすいと判断される可能性が高い。しかしこれだけの要因で値上げのハードルを下げるのでは、調達・購買部門の存在意義が問われる。こういった報道内容はしっかり押さえつつ、サプライヤとはしっかり協議を重ねてお互いが納得した合意を目指す基本は忘れずにいたい。
2024年5月9日
日産、「旧ケイレツ」見捨てず EV変革へ連携強化 河西工業に資金支援
https://www.nikkei.com/nkd/company/article/?DisplayType=1&ng=DGKKZO80533480Z00C24A5TB1000&scode=7201
株式の持ち合いがなくとも、自社にとって欠かせない調達先の存亡にまつわる危機はサポートする好例である。サプライヤへの資本参加の形態としては想定内の話であり、こういった際にどのように動くのかについて、調達・購買部門内でも何らかの機能が必要となるケースもあるだろう。
2024年5月9日
「ものづくり白書」原案 経営管理、世界で統一を 経産省、製造業の稼ぐ力改善を提言
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO80532330Z00C24A5EP0000/
製造業の海外売上比率が拡大しているものの、海外法人のマネジメントは「連邦制」であり、海外側に大きな裁量というか、日本からのガバナンスが効かず相乗効果を生み出せていないといった指摘が書かれている。確かに私が知る限りでも、情報システムが異なり、データの相互利用ができず、結果的に調達・購買部門のリソースであるサプライヤの相互活用ができないといった問題を当たり前に抱えている企業は多い。連結対象会社で会計だけ連結でおこなえば良い時代は終わっているが、実際に海外の事業会社とシナジーを生み出せるステージまではさまざまな問題を超える必要があり、その推進力こそ、日本企業とその調達・購買部門に求められている。
2024年5月6日
逆境のESG
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB103LO0Q4A410C2000000/
連載シリーズ。アメリカとヨーロッパでESG評価が分かれており、その狭間にいる日本は「なんちゃってSDGs」「なんちゃってESG」がまん延しており、欧米の機関投資家には魅力が無いと手厳しい。「なんちゃって」と言われるないようでさえ、調達・購買部門にも大きな負担になっている、これから負担になる取り組みが多い。海外での取り組みが、流行語のように突然降ってきて業務上の実行を求められるケースの多い日本企業であれば、ESGに関する欧米での評価を網羅的にまとめた本特集は必読である。ちなみに、反ESG的な動きは、昨年頭くらいから日本でも少しずつ報道されていた。日経新聞が報道したとなれば、いよいよしっかり意識すべきときなのだろう。