2.実務担当者に必要な知識/スキルアップ実践   2-1 数字を読み解く力~経理知識

調達購買部門で働くバイヤーは、多くの「数字」を扱いながら仕事を進めます。経理知識とは財務諸表の知識だけではありません。バイヤー業務を進める上で必要な数字を理解し、活用するための知識を学んでいきましょう。

☆サプライヤーの経営状態を評価する財務分析

あらたにサプライヤーを採用したり、現在取引をしているサプライヤーを定期的に評価したりするとき、経営状態をつかむための手段として、財務分析を行います。財務分析は、サプライヤーの決算時に作成された財務諸表の数値を使用し、次の3点の分析手法によって行います。

  • 時系列分析 売上や利益の時系列での変化から経営状態に問題がないかを読み取ります。
  • 構成比率分析(百分率法) 全体数値にしめる構成要素の比率によって問題を抽出します。たとえば貸借対照表の数値を、同業他社や業界平均と比較して、問題の有無を判断します。
  • 比率分析 さまざまな経営指標を分析します。3つに分類されます。
    • 収益性分析 どのくらいもうかっているかをみる
    • 健全性分析 今後も安定的に事業が継続できるかどうかをみる
    • 生産性分析 事業運営の効率性をみる

財務分析は、分析結果をサプライヤーへの発注にどのように活かすかがポイントです。事業継続に懸念があるなら安全性の分析を。発注量を増やすときは、総合力や成長性を分析し、増産対応力の有無を判断します。分析結果をどのように判断し、次の意志決定へ反映させるかが重要です。

☆原価計算方法

調達購買部門では、原材料費、購入部品費といった、主に事業活動によって発生し財務諸表へ反映される「原価」を扱っています。原価は経理部門で集計され損益計算に利用されます。実際にバイヤーが購入した価格が財務諸表に反映される仕組みは、調達購買業務が産み出す「成果」を数字で理解するために不可欠です。まず原価計算方法のセオリーを学び、自分の勤務先がどのような原価計算を行っているかを理解しましょう。自社は原価計算を行っているサンプルです。原価計算を大まかに分類すると

1.生産形態によって

(1)総合原価計算:大量生産、繰り返し生産向き

(2)個別原価計算:多品種少量生産向き

2.原価の使用方法によって

(1)実際原価計算:実際に発生した原価を使用

(2)標準原価計算:基準となる原価を活用

といった方式があります。自社の原価計算はどのように行われているか学び、経理知識を得る糸口にしましょう。

☆さまざまな数値を分析する手法

バイヤーが扱う購入品の価格、発注量、不良発生やコスト削減もすべて数字で表現されます。分析手法にも次のようなさまざまな切り口があります。

  • 大きさを考える(容積、重さ、出力、効率)
  • 分割して考える(生産要素ごと、材料ごと、費目ごと、原因)
  • 比較して考える(リソースの類似性・同機能、同業種、時系列)
  • 分割し比較して、総合的に考える

ビジネスで扱う数字は、意志決定の結果です。意志決定がどのように作用して結果となったかは、分析という作業を行わない限り理解できません。したがって経理知識はさまざまな公式を活用して、未来の意志決定に役立つ理由や傾向の読み解きが必要です。(牧野直哉)

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