3-9調達購買部門効率化の鍵を握る ~IT部門から得るサポート~

調達購買業務は、情報システムの活用なく成り立ちません。日々行われる購買の詳細内容を活用できる形で残せば、AIやRPAといったあらたな技術を活用した調達購買業務の実現も可能です。

☆業務効率化に欠かせない調達購買データベース

調達購買業務では、日々たくさんのデータと格闘しています。それだけ業務にまつわるデータ量が多いのです。そういったデータは、先行きを読み解くのが難しい現代では、対応策を検討するヒントもたらしてくれるかもしれません。

(1)    購入価格査定への活用

量産品製造はもちろん、受注品や少量生産品であっても、同じサプライヤーや同じ原料、材料、部品を繰り返し購入するはずです。まったく同じモノでなくても、類似点を見極めて過去購入実績と対比させれば、過去の検討内容や交渉内容を踏まえ、前回並みの購入結果が望めます。

過去の取り組みを現在の業務に生かすには、実績データの入手しやすさがポイントです。調達購買部門に限らず、むやみに購入アイテムの増加を防止するためにも、検索が容易なデータベースは、効率的な調達購買業務の実践には必須です。

(2)    需要見通しへの活用

購入実績のデータベースで過去の購入推移と、景気動向を合わせ分析すれば、将来的な需要動向を掌握する基礎データとして活用可能です。調達購買部門にとって先々の需要動向は、サプライヤーに的確に伝え、生産準備をうながす重要な情報です。とくに景気の転換期、需要が増えたり、減ったりといった従来と異なる需要局面では、変化の兆しに合わせた準備を自社だけではなく、サプライヤーと共有します。

(3)    新技術への活用

AI(人工知能)やRPA(Robotic Process Automation /ロボティック・プロセス・オートメーションを調達購買業務に活用する場合、整理されたデータが大きければ大きいほどに、分析方法も活用の使途も広がります。日々の業務結果を適切に蓄積して、新たな技術により過去よりも効率的により業績貢献可能性の高い取り組みを実現します。

☆サプライヤー含めたサプライチェーン管理

社内だけではなく、サプライヤーを含めた業務効率化を進めるため、インターネットを活用したデータ授受の取り組みが進んでいます。顧客からの受注情報をサプライヤーへの発注情報へ展開し、注文書や仕様書、図面も、紙(書類)ではなく、サプライヤーへデータとして発信し、必要に応じてサプライヤーで印刷する取り組みも拡大しました。

こういった取り組みは、書類管理を減らすメリットがある反面、インターネットを通じて、機密情報がサプライヤーを通じて社外に流出するリスクを高めています。調達購買部門ではIT部門と連携し、自社だけではないサプライヤーを含めたセキュリティ管理の実践が求められています。サプライヤーの一次窓口である調達購買部門は、情報セキュリティの意識を高め、サプライヤーのIT活用状況を確認し、セキュリティ管理意識の啓蒙も行います。

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