6-7「価格の目安」が「交渉根拠」に進化する ~コストテーブル活用方法

コストテーブル作成を開始したら、さまざまな場面で活用します。仕事を進めるあらゆる場面で活用可能です。活用を重ねコストテーブルの精度向上に取り組みます。

☆見積依頼時

コストテーブルを作成したら次の見積依頼から実際に活用します。キーファクターから想定価格を数値で算出します。見積が提示され算出した数値と異なっていた場合、理由を考え仮説を導き出します。疑問点をサプライヤーへ確認するのも効果的です。問い合わせによって「いい加減な価格提示はできない」とサプライヤーに良い緊張感を生む効果も期待できます。

☆価格査定

購入実績の蓄積が進んだら近似曲線を加えます。価格傾向と比較し高めの実績と安めの実績が確認できたら理由も考えてみましょう。コストテーブルは近似曲線で示された価格傾向全体を下げ、コスト削減を進めるのが最終的な目的です。個別案件の価格の見通しを立てるだけでなく、コストテーブル全体を見渡しコスト削減を進めるかヒントを探します。

☆バイヤー見積作成時

社内都合で見積金額が急遽必要になる場合もあるはずです。そんなとき至急でサプライヤーに見積依頼すると同時に、コストテーブルを活用しバイヤー見積を行います。バイヤー見積はコストテーブルと価格の判断基準としてキーファクターを提示し見積価格の根拠を提示します。バイヤーによる見積は勇気の必要な行動です。確固な根拠をもったコストテーブルの作成は、サプライヤーと社内から一目置かれるバイヤーに欠かせないツールです。

☆購買戦略の基礎資料

製品やサービスごとに複数のサプライヤーの購入実績を1つの散布図に表示してみます。散布状態からキーファクターごとに価格の傾向が、サプライヤーごとに異なっている実態が読み取れるかもしれません。異なる傾向はサプライヤーの特徴です。サプライヤーの特徴である強い部分と弱い部分が判明したら強い部分を生かすサプライヤー選定を行います。グラフで示された弱い部分をサプライヤーに示し将来の改善活動につなげます。(牧野直哉)

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